読書感想ブログ「一匹の犬になれ」

読んだ本の感想&おすすめしたい本の紹介などをするブログ

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ドラマCD記念――サイトウケンジ、涼香『101番目の百物語』の感想

※ネタバレにご注意ください

安部公房『壁』第一部「S・カルマ氏の犯罪」の感想

※ネタバレにご注意ください。 安部公房 安部公房は世界に代表する日本人作家と言っていいだろう。国外での評価が高い作家の1人だ。少し前、生前安部公房がノーベル文学賞候補と目されていたことが報道された。村上春樹がそうであるように、一定以上国外で評…

種まきの巻?――平坂読、カントク『妹さえいればいい。』の感想

※ネタバレを過分に含むので、ご注意ください。 『僕は友達が少ない』 平坂読『僕は友達が少ない』(2009) は美少女が嘔吐する場面から物語が始まる。三日月夜空と柏崎星奈が闇鍋をきっかけに吐く。たしか遊園地に行く話でも吐いていたか。今回とりあげる『妹…

文庫化されなかったのにはそれなりの訳がある――舞城王太郎『暗闇の中で子供』の感想

①ボロ雑巾のように使い古されたメフィスト賞談義でも アンチミステリ+ファミリーサーガな小説『煙か土か食い物』でメフィスト賞をかっさらい作家デビューした舞城王太郎は、メフィスト賞出身の成功者と言えるだろう。京極夏彦に味を占めた講談社は、京極の…